素材へのこだわり

DEDICATION TO MATERIALS

千鳥屋のお菓子づくりは、素材選びから始まります。
最高の味や香り、食感を引き出すために、地元・九州の
恵みをはじめとした良質な素材を厳選。
それぞれの特性を見極め、菓子との調和を大切にした
お菓子づくりを続けています。

60年以上前から続く、
贅沢に香るバターの風味。

今では人気を博している発酵バターですが、千鳥饅頭総本舗では、世間ではまだ一般的ではなかった1962年から、いち早く取り入れてきました。北海道で修業を積んだ先代の社長がその風味に魅了され、宮内庁に納めていた製造元から、特別に分けていただいたのが始まりです。発酵バターは手間がかかり、生産量も限られます。手間暇かけてつくられた豊かな香りと奥深い味わい、そしてすっきりとした後口を兼ね備えたその風味は、千鳥屋のお菓子に欠かせません。焼き上げたときに広がる芳醇な香りは、ほかにはない魅力を放ちます。

筑後平野で育まれた
「地粉」などの厳選素材

「お菓子をしっとりさせたい」「サクッさせたい」といった仕上がりをイメージしながら、一つひとつの商品に合わせて小麦粉を使い分けています。なかでも中力粉には、地元で収穫・製粉して作られる「地粉(じこな)」を使用。筑後平野産の厳選された地粉を使用しており、春には麦畑を訪れ、品質を自らの目で確かめることもあります。千鳥饅頭や丸ボーロは、この地粉を活かして職人の技でつくられる逸品です。地域の恵みとともに、変わらぬ味を守り続けています。

餌からこだわった
千鳥屋専用鶏の卵

鶏の飼料(餌)に魚粉を使うと生臭さが出るという課題を解消するため、福岡県古賀市の契約養鶏場で、魚粉の代わりに乳酸菌をはじめとする千鳥屋指定の餌を与え、丁寧に育てられた千鳥屋専用鶏卵を全ての商品に使用しています。さらに、かすていらにはマリーゴールドを加えた特別な飼料で育てられた鶏の卵のみを使用。天然素材がもたらす鮮やかな色合いが、お菓子の仕上がりに美しさを添えています。

希少な豆が生み出す、
極上の純白餡

千鳥饅頭の餡に欠かせないのが、北海道・十勝産の「手亡豆(てぼうまめ)」です。毎年9月に収穫される白い豆が、千鳥屋ならではの純白の餡を生み出します。当社では品質の高い2等級のみを使用。手亡豆は気候や台風の影響によって収穫量が大きく左右されるため入手が困難になる年もありますが、手選別をしてでも2等級にこだわっています。その繊細な素材を、ザラメとともにじっくりと時間をかけて炊き上げることで、上品な甘みと口どけが生まれるのです。

繊細な違いを見極め、
お菓子の個性を引き出す

生地をしっとりさせたい時には「上白糖」、焼き色を薄くし甘さをすっきりさせたい時には「グラニュー糖」、焼き菓子には熱との相性がよい北海道産の「てんさい糖」、千鳥饅頭やかすていらには上品な甘さと独特の食感を生み出す「白双糖(しろざらめ)」というように、表現したい味や仕上がりに合わせて、砂糖を細かく使い分けるのもこだわりのひとつ。お菓子の特徴に合わせた砂糖選びが、千鳥屋ならではの味わいの奥深さや余韻、そして香りの広がりまでをも支えています。

佐賀県米で作られる
国産100%の天然甘味料

米飴(こめあめ)は、米やもち米などに含まれるでんぷんを糖化させてつくられる、昔ながらのやさしい甘味料です。千鳥屋では、もち米の産地として知られる佐賀県の「ひよく米(ひよくもち)」を原料につくられた米飴を使用しています。しっかりとした味とコク、豊かな風味を兼ね備え、素材の持ち味を引き立てながら、お菓子にまろやかな甘みと深みを与えてくれます。昔ながらの甘味料を大切に使うことで、どこか懐かしく、やさしい味わいを生み出すのです。

お茶づくりのプロが育てる
農薬不使用のよもぎ

千鳥屋で使用するよもぎは全て、福岡・八女の「中村園」と契約栽培したものを使用しています。全国有数のお茶の産地・八女で、葉の育て方を熟知した生産者によって、農薬を使わずに丁寧に育てられたよもぎは、香りが高く、味も豊か。さらに、収穫後すぐに八女市内でペースト加工を行うことで、鮮度と風味を最大限活かしています。筑後川と矢部川に育まれた肥沃な土壌と豊富な伏流水で育った、地元の恵みそのものともいえる素材です。